要求管理ソフト「CaliberRM」や「Borland Together」など、ソフト開発プロジェクト内のコラボレーションを強化する製品を相次いで日本市場に投入している米ボーランド。デール・フラー社長兼CEOが最新の製品戦略や競合のITベンダーとの差異化を次のように語った。

◆当社の使命は、優れたソフトを開発できるよう支援し、ユーザーの競争力を高めることだ。しかし2003年の調査では、世界の大手企業のソフト開発プロジェクトの成功率は5分の1に過ぎない。これはビジネスで許される数字ではない。そこで当社は製品戦略を大幅に変えた。

◆具体的には、システム化要求の洗い出し、要件定義、上流設計、開発、導入など、開発の全フェーズを管理できるツールを作った。これによって、ビジネスに使えるソフトを高い精度で作れるようになり、開発期間も短縮できる。実際、コラボレーション製品は当社の製品の中でも大きく伸びている。2003年度の当社の売り上げは29億5000万ドルで前年度比21%伸びたが、その伸びの4割はコラボレーション製品の寄与だ。

◆IBM、BEAシステムズ、マイクロソフト、米マーキュリー・インタラクティブ、コンピュウェア、テレロジックなどの競合他社の中で、すべてのフェーズを管理できるのは当社だけだ。さらに当社は最も多くの開発言語で使える環境を提供している。これはIBMやマイクロソフトなど、巨大なリソースを持っている競合企業ならできない話ではない。当社を買収すればもっと早くできるかも知れない。しかし仮に、マイクロソフトがここに手を出すとすれば、Javaのオープンコミュニティにも評価されるようなものを出さなければならない。これは自社の開発言語への顧客の囲い込みをやめるということを意味する。当社は“ソフト業界の国連”を自負している。今後も、主要な言語のほとんどで当社の開発環境が使えることをアピールする。

◆当社の売り上げは4年前の2倍に伸びている。これはソフトベンダーでは珍しいことだ。今後4年間でまた2倍にしたいと考えている。実現できなければ私自身がリタイアしたいぐらいだ。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス

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