NTTエレクトロニクス(東京都渋谷区、伊澤達夫社長)は、自社開発した小型の指紋認証機器「FingerQuick」を6月10日から主にシステムインテグレータ向けに販売する。

 FingerQuickは、NTTマイクロシステムインテグレーション研究所と共同開発した製品。パソコンのUSBポートに接続してセキュリティを解除する、いわゆるトークンのように使うが、指紋照合用に小型ディスプレイのようなセンサーを内蔵している点が大きな特徴。USBポートにFingerQuickを装着し、利用者がセンサーの表面に指を乗せると指紋の読み取りと照合を瞬時に実行。本人認証すると、FingerQuickに記録してあるパスワードをパソコンに送信する。利用者の指紋データはFingerQuickに保管しているため、パソコンに指紋データを登録する方式に比べ、安全性は高まるという。最大10指の指紋を登録できるため、アプリケーションごとにパスワードを設定することもできる。

 NTTエレクトロニクスは2004年内に約3万個を出荷する計画で、そのうち約5000個をNTTグループのシステムインテグレータに販売する。加えて、セキュリティ関連に強みを持つ外部のシステムインテグレータにも積極的に販売していく考え。価格はオープンだが、1個当たり2万円前後になるもよう。FingerQuickには基本機能を備える「FQB-10」のほか、認証サーバーと組み合わせて使うワンタイムパスワード型の「FQO-10」がある。既に販売パートナーは2社あり、FQB-10を東和電気が扱い、FQO-10を丸紅ソリューションが販売する。

大山 繁樹=日経ソリューションビジネス

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