沖電気工業と米BEAシステムズは6月16日、ITと通信の融合分野で戦略提携することを発表した。提携の第1弾として、SIP(セッション・イニシエーション・プロトコル)に対応したWebアプリケーションサーバー「SipAs on WebLogic」を共同開発、沖電気が16日に日本市場向けに発売した。海外向けにはBEA製品として販売する方向で検討している。

 SipAs on WebLogicは、BEAのWebアプリケーションサーバーWebLogic Serverに、沖電気が開発したWeb電話帳機能やチャット機能、IP電話制御機能といったSIP対応モジュールを組み込んだ。同一のJava VM上でWebアプリケーションとVoIP(ボイスオーバーIP)のアプリケーションを実行できるのが特徴。また、WebLogicの開発環境を利用して、容易に音声系アプリケーションとWebアプリケーションを連携するシステムを構築できる。

 沖電気はSipAsを、通信事業者やISP、システムインテグレータ、ISV(独立系ソフトベンダー)、大手ユーザー企業などに幅広く売り込む狙いで、日本BEAシステムズの販売パートナーとも、SipAsの販売で協業したい考え。また沖電気は今後、SipASをベースにした業務アプリケーションも順次提供していく。例えば、IP電話と連携するWeb予約サイトを構築するアプリケーションや、SCM(サプライチェーンマネジメント)システムの受発注機能にIP電話を組み合わせたアプリケーションなどを今年度中にも投入する計画だ。

 沖電気は、SipAS on WebLogicに加え、システム設計や導入、教育などのコンサルティングサービスと、24時間365日対応の保守サービスを提供する。コンサルティングとパッケージ製品を合わせ、2006年度に50億円の売り上げを目指す。

森重 和春=日経ソリューションビジネス

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