ソリューションプロバイダが5月28日までに発表した2004年3月期の決算を表[拡大表示]にまとめた。売上高100億円以上で、売上高と経常利益を前年同期と比較できる82社の合計で、売上高は前年同期比2.6%増の6兆5663億6500万円。経常利益は前年同期比10.8%増の3305億9300万円と、増収増益になった。

 単価引き下げなどで売り上げが伸び悩む中、利益を重視した経営に取り組んだ成果が表れたといえそうだが、企業間の格差は広がっている。82社中、増収増益企業が36社(43.9%)、減収増益企業が12社(14.6%)に達する一方で、増収減益企業13社(15.9%)、減収減益21社(25.6%)と利益を減らした企業が4割を超えた。経常赤字企業も6社(7.3%)に上った。

 業績が落ち込んだ企業では、システムインテグレーションが主力事業のソリューションプロバイダが目立つ。新日鉄ソリューションズや住商情報システムなど、これまで「勝ち組」と言われてきた企業も減益になった。各社は減益要因としてユーザー企業の投資先送りや単価引き下げ要求、不採算案件などを挙げる。

 2005年3月期の業績予想をまとめると、82社の合計で売上高は前年比4.3%増の6兆8481億1500万円、経常利益は9.3%増の3614億4900万円と予想しており、84%以上が増収増益を見込んでいる。前期は、期初予想を大きく下回る決算が相次いだ。上向く景気に支えられ、ユーザー企業のIT投資意欲は高まっているが、投資を選別する目は引き続き厳しく、業績好転を楽観視することはできない。

森重 和春=日経ソリューションビジネス

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