ソフト開発ベンチャーのアドバンスト・メディア(東京都豊島区)は、音声を即時にテキスト化する音声認識ソフトのIP電話対応版「AmiVoice Smart Assist」を試作した。同社の従来製品は、通話録音装置で録音した音声をサーバーでテキスト化するが、Smart AssistはパソコンのUSBポートに付けたIP電話機からの音声パケットを取得し、パソコンで処理できる点が特徴だ。

 開発が完了したら、IPコンタクトセンター向けに音声-テキスト変換機能を備えた顧客対応用アプリケーションとして売り込む考え。これまでの製品は、直販が多かったが、今後はソリューションプロバイダへの外販も強化し、コンタクトセンター向けのシステムに組み込んでもらう。

 アドバンスト・メディアは音声認識エンジンの開発を目的として設立されたベンチャー。自社開発のエンジンを核に、2者間の通話をリアルタイムで音声認識しテキスト化したり、辞書登録したキーワードを基に、特定キーワードからドキュメントを検索する機能などを備えた各種ソフトウエア製品を販売している。

 例えば、顧客がある製品名を声に出して問合わせてきたら、その内容を即時にテキスト化し、キーワード登録された製品名からドキュメントを即時に検索して、顧客を待たせることなく質問に答えられるといった具合だ。テキスト化した文書と該当する音声ファイルは対応付けされており、元の音声を確認して聞くこともできる。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス