米VMWareの日本法人ヴイエムウェア(東京都渋谷区、ジム・レノックス社長)が販売するエミュレータVMware Workstationの販売が好調だ。
 同製品を2000年7月から販売するネットワールドの森田晶一取締役マーケティング本部長は「発売以来、話題を呼んでいたいが、企業向けの大型案件がなかった。それが2002年頃から増え始め、2003年度には売り上げが前年度比で50%増えた」と喜ぶ。ヴイエムウェアの横溝康正チャネルマネジャーは「オンライン販売やサーバーメーカー経由で販売した分を除いても、2003年秋の時点で国内での販売数は10万ユーザーを超えた」と話す。オンライン販売やメーカー経由を含めた出荷本数は20万ユーザーを超えているとみられる。

 同製品を使うと、LinuxやWindows上に“仮想マシン”として異なる複数のOSを再現することができる。販売好調の背景にはクライアントPCのOSをアップグレードする企業が旧版OS向けのソフト資産を移行後も使い続けるツールとして目を向け始めたことがある。「電力会社などで数千ユーザー規模の商談がいくつかある。中には、1万ユーザーを超える計画を立ててる見込み客もいる」(森田取締役)。

 VMware Workstationの販売好調を受け、米VMWareは既に登記していた日本法人の活動を本格的に開始することを発表、同時にサーバー向けのエミュレータ製品VMware Virtual Centerを追加投入した。米VMWareの売り上げの半分はサーバー製品によるものだが、日本ではこれから。「NEC、IBM、HP、デルなどグローバルパートナーとの関係強化を図り、サーバーの拡販につながる商材を提供する。パートナー向けのトレーニングやシステム移行ソリューションといった商材開発も進めている」とヴイエムウェアの横溝マネジャー。今年度には前年度に比べて40%程度増の売り上げを見込んでいる。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス