日本IBMは、新規のビジネスパートナーや2次パートナーを対象に製品の販売支援を専門に手掛ける部隊を発足した。「Think Agent(シンク・エージェント)」と呼ぶ部隊がそれで、北海道と本州に展開する13拠点に計25人を配置し、4月1日に業務を開始した。同部隊が取り扱う製品は、ノートPCのThinkPad、デスクトップPCのThinkCentre、プリンタのInfoprint、IBM eServer xSeries。商談の支援やセミナーの開催、営業支援ツールの提供、相談の受付などを受け持つ。運営は、IBMグループでコールセンターの運営などを担当する子会社の日本IBMイーコミュニケーションズ(千葉市、一瀬宗也社長)が受け持つ。

 シンク・エージェントが扱う製品は、低価格化が進み、差別化が難しくなっているものだが、電話や電子メール、面談などによってIBM製品の特徴や商材としての魅力をパートナーに訴えていく。PCとプリンタ製品の事業を統括する向井宏之理事PC&プリンティング事業部長は「直接対話ができるパートナーは当社のことをよく知っているが、全国的に見ると直接話し合う機会がない2次パートナーが多く、当社の製品の魅力が必ずしも正確に伝わっていないと思う。シンク・エージェントによって、それを解消したい」と話す。2003年4月から1年間の試行期間を設け、パートナー企業からのヒアリングなどで好感触を得たことでシンク・エージェントの正式発足に踏み切った。

 新規パートナーや2次パートナーの関係を密にすると期待を寄せられているシンク・エージェントだが、ハードの販売を支援する限り、早晩、中途半端な存在になる可能性もある。この点についてIBMは「今後、Think Agentの活動範囲が一部のソフト製品に広がることも十分あり得るだろう。日本IBMイーコミュニケーションズは従来からソフト製品関連の業務も手掛けており、対応することは可能だ」(同)と含みを残す。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス