モバイルアクセス用ソフトの開発会社、米アリゴのロバート・スミス社長兼CEO(最高経営責任者)が、日本法人設立のために来日、日本市場での成果や今後のビジネス展開、製品戦略などを語った。主旨は以下の通り。

◆当社の中核製品は、世界中の4400種類以上のモバイル機器と業務アプリケーションとを接続できるミドルウエアOmniPlatformと、ノーツやExchangeなどの主要なグループウエア・サーバーにモバイル機器から直接アクセスできるようにするMobile Accessだ。世界で40社10万ユーザーが使っている。米国も日本同様、不況から回復期に入ったばかりなので、従業員の生産性を上げることに企業の目が向き始めた。これが追い風になり、売り上げは2002年が110万ドル、2003年が410万ドル、2004年が800万ドルと好調に伸びている。

◆日本法人を設立した理由は2つある。1つは日本市場での売り上げが順調に伸びていることだ。2002年が50万ドル、支社を設立した2003年は100万ドルだった。2年間で1次パートナー4社、顧客20社を獲得した。もう1つは、モバイルインターネットの普及において日本は先進市場だからだ。滋賀県長浜市では住民ポータルにOmniPlatformを適用し、様々な携帯電話でも公平に情報を見られるようにしたが、こういった先進的な案件が日本で複数発生している。ことモバイルに関しては、米国は日本に3年遅れている。

◆2004年には日本で300万ドルの売り上げを計画している。すべてパートナー経由だ。NECや富士通などの大手メーカーに1次パートナーになってもらうことも目標だ。東芝とはこの1年間、様々な協業の可能性を検討してきたし、日本IBMについては同社の関連会社ゼネラル・ビジネス・サービス(GBS、東京都港区、加藤 章社長)がパートナーになっている。1次パートナーの数を現状の2倍に増やし、その下にそれぞれ10社程度の2次パートナーを置く。

◆日本法人アリゴ・ジャパン(東京都港区、辻根佳明社長)の増強も急ぐ。営業3人に対しサポート1人は必要という当社のポリシーに従って、人を増やしている。一部の案件では、パートナーと協力してサポートサービスを提供している。日本企業の要求する品質レベルはとても高いため、結果としては当社の規模や体制からみればかなり高い水準のサポートを提供できている。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス