富士通はルーティング機能やファイアウォール、帯域制御機能などをすべて1台に集約したネットワーク機器「IPCOM Sシリーズ」を発売した。同社では「ネットワークサーバー」と呼び、これらの機能を1台に集約した製品は世界初だという。あらゆる規模に企業に向く製品と位置付けている。2年間で4000台の販売を目指す。

 同製品あ、これまでルーターやファイアウォールなどに分かれていたネットワーク機器を1台に集約したもの。搭載した機能は、ルーティングやファイアウォール機能のほか、負荷分散機能、帯域制御機能、IPsec(IPセキュリティ)を用いたVPN(仮想私設網)機能、SSL(セキュア・ソケット・レイヤ)アクセラレーション機能など。ネットワーク構築に必要な主要機能を1台に集約したことで、ハードの価格は同社の従来製品に比べておよそ半値になった。また、設置スペースやケーブルの本数は3分の1に減らせ、設計から導入までの期間は5分の1に短縮できるという。

 このほか、機能の集約化によって、世界で初めて1台でVPN回線の帯域を保証する機能や、トラフィックを2種類の回線に振り分けるマルチホーミングで帯域保証を実現した。製品のラインナップとして、80万円のIPCOM S1000から、最低価格790万円のIPCOM S2200まで4種類の製品を用意する。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス