IDS(侵入検知ソフト)ベンダーのインターネットセキュリティシステムズ(ISS)は、同社製品の顧客に提供しているネットワーク監視サービスを強化した「マネージドプロテクションサービス(MPS)」を4月にも始める。これまでのマネージドセキュリティサービス(MSS)は、ウイルスの侵入などが発生した時点でユーザーに通知するだけだったが、新サービスではその後の対策までを引き受ける。さらに、対応にかかる時間や防御できる攻撃の種類などを明確に定義したSLA(サービスレベル契約)を結び、仮にこれが破られた場合には料金を返還する。「2004年にはサービス全体の売り上げの2~3割をMPSにしたい」と同社の林界宏社長は意気込む。

 同社はIDSソフト専業から統合セキュリティベンダーへの転身を図っており、2003年6月には統合アプライアンス製品Proventiaシリーズの発売を開始した。Proventiaシリーズは、ファイアウォール、IDS、ウイルスの検知・駆除といった複数の機能モジュールを1つにまとめてハードに搭載したもの。今回開始するMPSサービスは、Proventiaシリーズを導入した顧客を対象にしている。

 新製品や新サービスの販売を立ち上げるため、新たなパートナーの獲得も進めている。「最も欲しいのはネットワークインテグレータや通信事業者など企業のネットワークに強い会社」(同)。通信事業者を専門に担当するパートナー営業部隊や直接営業部隊も新設した。

 アジアとオーストラリアも統括する同社の2003年12月期の売上高は35億円余り。「日本市場での伸びは、他の地域よりも大きい」(同)。2004年度の売り上げ見込みは前年度比14%増の約40億円だが、そのうち23億円を日本で稼ぎ出す計画。

佐竹 三江=日経ソリューションビジネス