シスコシステムズは3月23日、IP(インターネットプロトコル)電話システムの新製品群を発表した。ビデオ会議システムと連携したり、セキュリティ機能の強化などを図った点などが特徴。IP電話をパソコンやビデオ会議用装置などと連携することを強化し、「安価な電話」にとどまらず、オフィスの生産性を高められる点を強く訴求していく。「パートナーにとっても、アプリケーションの提案・開発で付加価値を提供しやすい」(山中理恵市場開発担当執行役員)点を売り込む。

 発売するのは、通話をコントロールする呼制御サーバー用ソフトの新版「CallManager 4.0」や、ソフトフォン「Cisco Communicator」、カラー液晶画面を備えたIP電話機「Cisco IP Phone 7970G」、ビデオ会議システム「Cisco IP/VC 3500シリーズ」など。既に試験的に出荷している7970Gを除き、2004年第2四半期に発売する。特徴は、同じ電話番号でIP電話とビデオ会議の両方を利用でき、IP電話の通話中にビデオ会議に切り替えるといったシームレスな運用が可能になること。7970GやCommunicatorのほか、シスコ製のUSBカメラや、ノルウエーのタンバーグのビデオ会議用のクライアントを利用できる。

 また、CallManager 4.0や7970Gなどには、呼制御や音声の信号を暗号化するほか、接続する端末を認証する機能を備える。シスコ独自の呼制御の手順であるSCCP(skinny client control protocol)に加え、業界標準の呼制御手順であるSIP(session initiation protocol)にも対応し、SIP対応端末との通話やSIPを採用したアプリケーションの利用も可能になっている。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス