新日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、2004年4月以降に採用する新規卒業者を対象に能力やスキルに応じて報酬を受け取る「年俸契約型新卒社員」の採用枠を新たに設ける。年俸契約型で採用された新入社員は入社1年目で、同期入社の社員に比べて年収が最大200万円程度高くなるという。

 計画によると、2005年は新卒採用数120人のうち、2003年度に開始した職種別採用(研究職、ソリューション営業・コンサルティング職)と合わせて、年俸契約型新卒社員を最大20人採用する。高度なITスキルや、金融工学・生産管理などの専門知識を持ち、即戦力となる学生を採用する。

 年俸契約型社員の年俸は、選考時に認定された能力や業務知識のレベルに応じて決定する。入社後は一般の新入社員を対象とするITスキル研修は受講せず、即戦力として研究所や事業部門に配属する。契約は1年間で、2年目以降の契約は、前年度の成果に応じて更新する。社員との合意に基づいて、従来の社員区分に切り替わることもできる。

 NSSOLは、北海道大学大学院工学研究科が2003年4月に開講したIT寄付講座に発起メンバーとして参加するなど、IT教育の支援に力を入れている。今回の年棒制導入は、優秀な人材を確保すると同時に、学生が高度で実践的なIT教育を受けるきっかけとなることも狙っている。NSSOLはIT業界全体で取り組むべき課題として、北海道大学大学院の寄付講座の協力企業などにも、新卒社員を対象にした年俸制度の採用を呼びかけている。

森重 和春=日経ソリューションビジネス