ITXと有線ブロードネットワークス(usen)の合弁会社であるモーラネットは、法人向けのIP(インターネットプロトコル)電話サービス「モーラフォン」を3月25日から開始することを明らかにした。昨年から準備を進めており、最大の特徴はNTT電話からIP電話に乗り換える際に、従来の電話番号を使い続けられること。モーラネットは「ソリューションプロバイダなど10~20社とパートナー契約を結びたい」(高橋正行取締役)方針で、販売網の構築を急ぐ。

 モーラフォンはusenの光ファイバー回線を使った、中小・中堅企業向けのIP電話サービス。ユーザーは、インターネット接続サービスに追加する形でサービスを申し込むことができる。NTT電話の月額基本料2600円に対し、モーラネットの基本料は複数回線対応で月額1800円と割安。通話料も安く、NTT電話に全国一律3分8円でかけられるなど、従来のIP電話の特徴を踏襲した。使い勝手を変えずに月額基本料を削減できる点などを前面に掲げて中堅・中小企業に売り込む。

 モーラフォンの販売網を構築するため、現在、モーラネットが複数の企業と交渉中。「パートナーの形態は、顧客獲得だけに特化する販売代理業務でも、当社のサービスを自ら再販する形態でも構わない」(高橋取締役)という。

玄 忠雄=日経ソリューションビジネス