ミラクル・リナックス(東京都港区、佐藤武社長)は15日、アジア市場をターゲットにした企業向けサーバーLinuxの開発で、中国のLinuxディストリビュータ大手のレッドフラッグソフトウェアと提携した。クライアントLinuxの日本での販売でも協業する方針。

 ミラクル・リナックスが日本での販売を検討しているのは、レッドフラッグ製のクライアントLinux製品であるRed Flag Linux Desktopをベースにしたもの。同製品は中国でOEMも含めて2002年に115万本を出荷した実績がある。ミラクル・リナックスの佐藤社長は「デスクトップ版は、日本のマーケットの可能性を精査しているところ」と、意欲を見せたが、具体的な製品の概要や出荷時期については明言を避けた。今後、企業向けのクライアントの市場に可能性があると判断した場合、「製品の出荷の準備自体は、それほど大変ではない」(佐藤社長)としている。

 クライアントLinuxは、すでに他のLinuxディストリビュータが相次いで販売を開始しており、企業向けにも本腰を入れ始めている。ミラクル・リナックスはクライアントLinuxでは後発となるだけに、市場参入に対しても慎重な姿勢をとったものと見られる。

 ミラクル・リナックスとレッドフラッグが共同開発するサーバーLinux「Asianux」は、日本ではMIRACLE LINUX V3.0、中国ではRed Flag DC 4.1とのブランド名で販売する。日本では5月末をめどに出荷を開始する予定。すでに、日中の顧客への技術サポートを行う共同サポートセンターも中国・北京に設立している。

中井 奨=日経ソリューションビジネス

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