富士通は、総合運用管理ツールの新版「Systemwalker V11」の発売を開始した。これに伴って、既存の7製品に2製品「Systemwalker Resource Coordinator」と「同Service Quality Coordinator」を追加した。両製品によって、Systemwalkerが運用管理するシステムは仮想化や自律化できる機能が加わり、グリッド・コンピューティングの実現を目指す。

 Resource CoordinatorはサーバーやストレージなどのIT資産を仮想化するもの。顧客数などに応じて変化するシステムの性能劣化や、機器のトラブルなどによるサービスの停止などに対応し、システムのリソースを再配分できる。かたやService Quality Coordinatorは、様々なサーバーやネットワーク、ストレージを経由したシステムのレスポンスやサービス状況を可視化する製品。

 新製品によって、社内テストではサーバーの導入や追加作業、トラブル復旧に費やす時間などが3分の1にまで短縮できるという。ただし、今のところ仮想化や自律化できるシステムは、富士通製のブレードサーバーやストレージなどに限定される。今後は対応する機種や製品を増やす計画。

 Resource Coordinatorは価格144万円から、Service Quality Coordinatorは84万円から。Systemwalker9製品全体で、2006年末までにサーバーやクライアントを含めて280万本の販売を計画する。

渡辺 一正=日経ソリューションビジネス