サン・マイクロシステムズと日本オラクルは、シンクライアントを利用した電子メールやファイルサーバーなどの統合システムを共同で拡販する。6月19日には、検証施設「サン/オラクル・ローコスト・コンピューティング検証センター」を日本オラクル内に開設し、主に地方自治体に対して両社の製品を組み合わせたシステムを売り込むのが狙い。

 検証センターには、ラックマウント型のサーバー12台、2テラバイト分のストレージなどを設置した。サン製シンクライアント端末Sun Rayアプライアンスとオフィスソフト群StarOfficeから成るThinクライアント・ソリューションセットに、オラクル製のコラボレーションソフトOracle Collaboration Suiteを組み合わせ、メールサーバーとファイルサーバーを統合したシステムの稼働検証を行う。

 このシステムは、一つのサーバーで管理したデータを、シンクライアント端末からアクセスして利用できるようにする。一元管理することによって、データやアプリケーションの管理がしやすくなることや、パソコンでは必要だったバージョンアップをしなくてもすむ。また、データが入った端末を外に持ち出す危険もなくなり、セキュリティの安全が図れる。

 両社は、住民基本台帳など個人情報を扱う機会の多い地方自治体や企業を中心に、パソコンからシンクライアント端末のシステムへの移行を販売パートナーに提案してもらいたい考え。両社は、検証結果で得られた技術情報を販売パートナーに報告し、パートナーの提案に役立ててもらう。

中井 奨=日経ソリューションビジネス