ERP(統合基幹業務システム)ソフトベンダー、米ピープルソフトの日本法人が、日本市場の活性化に動いている。加賀山進社長の元、4月にはマネジメント層を一新し営業力を強化した。米本社も6月、米JDエドワーズの買収を発表するなど勢いを増す。日本市場開拓策を加賀山進社長に聞いた。
 ◆どう市場を開拓するのか。
当社の直販部隊が顧客を開拓し、案件をパートナー企業に紹介することに注力する。そのため、4月の体制一新で製品コンサルタントを25%、サービス・コンサルタントを50%、それぞれ増やした。「Peoplesoftは儲かる」ということを実証できれば、パートナー企業の人材への投資額が増える。最低50人規模になれば、稼働率80%として10人が営業に出られるので、継続的な案件獲得が軌道に乗るはずだ。50人規模のパートナー企業を2003年内に5社程度にまで増やす。
 ◆顧客のIT投資は厳しい。
ERPベンダーが訴えてきたベストプラクティス競争から脱却する時期だ。製品の使い勝手やエンドユーザへの教育のしやすさ、カスタマイズやマイグレーションの容易さなど、顧客が運用段階で得られる効果を示す必要がある。R/3(独SAP製)ユーザーはバージョンアップや保守などの面で決して満足しておらず、リプレースを仕掛ける狙い目だ。米本社が持つ業種・業務別のROI(投資対効果)算定ツールなども、早期に日本市場に展開したい。
 ◆JDE買収の影響は。
買収完了まで具体策は話せないが、市場は顧客と得意分野の双方で補完関係にあると評価している。日本でも、昨秋にPeoplesoftを全社会計システムとして稼働させたデンソーなど、生産現場にはJDE製品を導入している実例がある。JDE日本法人も日本市場開拓に向けた体制を整備し直したところで、将来の製品統合ビジョンを提示した営業活動が可能になるなど、当社の市場拡大策を加速する要因の一つにできそうだ。(志度)