富士通システムソリューションズ(Fsol、東京都文京区、秦聖五社長)は中小企業市場に参入する。その一環として、中小企業向けアプリケーション製品群「WebSERVE/smart-ERP」の出荷を始める。同社が新たに投入する中小企業向けアプリケーション群「smart-Solution」の第一弾で、パッケージ販売とASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)の両方の形態で提供する。

 Fsolによると、6月末に管理会計機能を提供し、9月中に手形管理をはじめ、連結会計、人事・給与、販売管理などの機能を追加していく。「すべての情報をリアルタイムで管理する仕組みを、安く、確実に、早く実現できるという点を売り込みたい」と川端功微Webソリューションサービス本部スマートビジネスシステム部長は話す。

 これまでFsolは中堅企業を主要顧客にしてきたが、中堅企業がIT投資を抑制しているため、新たに中小企業市場を開拓する必要があると判断した。中小企業の大半はシステムの専任担当者を置けないため、顧客自身が一定範囲のカスタマイズを行える機能を開発した。「これまでSEが有償でカスタマイズしていた作業のうち、3割程度をsmart-ERPでは顧客自身が対応できるので、結果的に低コストで導入できる」(川端部長)。

 smart-ERP本体の価格も中堅企業向け商品の数分の1程度に抑えており、クライアント数無制限のsmart-ERPのパッケージ価格が200万円程度(ASPが月額25万~30万円程度)、3クライアント以下の制限版のパッケージ価格が80万円程度(ASPは月額10~15万円)になる見込み。

 Fsolは、東京ゼロックス(東京都新宿区、上田忠昭社長)など中小企業に顧客が多い企業をsmart-Solutionの販売パートナーにして売り込む。販売網を整備するほか、「単価は低いが、その分、基幹系を丸ごと当社にまかせてもらう」(川端部長)という営業戦略も考えており、2003年度に5億円、2004年度に20億円、2005年度に50億円の売り上げを見込む。