周辺機器メーカーの米アイオメガ日本法人がエンタープライズ向け製品を強化し、販売パートナの獲得に注力する。5月22日、テラバイト級の企業向けNAS(ネットワーク接続型ストレージ)新製品に加え、中小企業向けの低価格なNAS製品群を発表した。システム・プロバイダに対して、他社製NASよりコストパフォーマンスに優れているというイメージを強めることで、これまで手つかずだったエンタープライズ市場でのシェア獲得を目指す。

 100万円を超えるNAS製品はシステム・プロバイダ経由での出荷が中心になる。しかし「システム・プロバイダにとってアイオメガはコンシューマ向けというイメージが強く、顧客企業へ提案してもらえなかった」(鈴木裕司社長)。システム・プロバイダへのプレゼンスを高めるため、リセラープログラムを充実させる。詳細は未定だが、ある期間内に目標の売り上げを達成した販売パートナにはリベートを用意するなどインセンティブを高める計画だ。また、アイオメガがシステム・プロバイダ向けに24時間365日体制のサポートを提供するなどのパートナ支援体制を強化する。

 今回発表した新製品は3シリーズ6製品で「Iomega NAS P800シリーズ」(オープン価格。185万円~270万円)、「同P400シリーズ」(オープン価格。55万円~85万円)、「同A300シリーズ」(オープン価格。24万8000円)。12月末までの半年間で、P800シリーズが50台、P400シリーズが150台、A300シリーズが300台の出荷を目指す。

 アイオメガの主力製品であるZIPドライブは98年をピークに、需要が落ち込んできた。特に日本市場での下落は早く、最大で収益の95%を占めていたが、現状は60%程度という。企業向け製品を早急に事業の柱に育てたい考えだ。(渡辺)