米調査会社IDCのシニア・エグゼクティブ・バイス・プレジデント、マイケル・メレノフスキー氏は、IDCジャパン主催の顧客向けイベントで「世界のIT関連サービスの価格は、年に5~6%の割合で値崩れし続ける」との見方を示した。主な原因として同氏が挙げたのは「インド企業が欧米の有力システム・インテグレータの約3分の1という低価格で、品質にも遜色ないサービスを提供し始め、世界中で顧客を増やしていること」だ。

 このインド効果はIDCの予想を超えるスピードで表面化している。IDCは定期的に世界のIT市場(ハード、ソフト、サービスの合計)規模の成長率を予測しているが、IT市場におけるサービスの比率は40%と大きく、この数値にも影響が出ている。同社は最近の発表値のうち、2003年から2006年までの4年間の数値を下方修正する作業を現在進めている。

 こうしたデフレ状況下で、ソリューション・プロバイダは、相反する二つの課題を突きつけられる。同氏によれば「一つはコスト削減。もう一つはサービスをより迅速に提供するためのインフラに投資することだ」という。これだけでもかなりの難題だが、これは最低合格ラインで、さらに顧客との関係を深め、事業戦略に貢献できる立場を確立して初めて、高い利益率を獲得できるとしている。(佐竹)