ストレージ製品を販売するテクノグラフィー(東京都渋谷区、稲岡茂穂社長)が、医療系システムを販売するシステム・プロバイダを、NAS(ネットワーク接続型ストレージ)製品の販売パートナに取り込もうと躍起だ。2月末には横河電機とパートナ契約を結んだほか、東芝メディカルなど数社と交渉を進めている。

 テクノグラフィーが狙うのは、レントゲン写真やCTスキャンなど医療機関で使う画像をバックアップする用途としてのNASの販売。医療画像の管理では、サーバーやビューアから成るPACS(医用画像管理システム)が普及しているが、サーバーのバックアップにはテープ装置を使うケースが多かった。「ディスクの急激な低価格化で、テープとの価格差はなくなってきた」(木戸裕介マーケティング部マネージャー)ことから、同社は昨年末からテープ装置のリプレースにフォーカスした営業を展開している。その一策として、PACS事業を展開する横河電機などをパートナとして囲い込み、医療機関を顧客に取り込もうとしている。

 NAS市場では、中心的な顧客であった製造業の需要が、景気低迷により2002年から大きく落ち込んでいる。そこでNASベンダー各社は、製造業以外の顧客開拓に乗り出している。(松尾)