CACが自社開発している金融機関向けパッケージを中国市場で販売することを検討していることが明らかになった。並行して、中国の信託銀行と大規模システムの開発・運用案件を巡っての商談も進めている。2000年春に米国法人の子会社としてCAC上海を開設した同社は今年、中国市場での営業活動を本格化したい考え。アウトソーシング分野で昨年9月に協業したNTTコミュニケーションズと、中国市場におけるサービス事業拡大に向けた協議も始めている。

 IT(情報技術)サービス業界では、中国市場に進出した日系企業を追って中国の営業拠点強化の動きが始まっている。その中で、CACは日系企業に限らず欧米企業や中国企業を含めたサービス展開を模索する。受託開発中心の日本とは異なり、携帯電話へのコンテンツ配信サービスの事業化なども視野に入れる。上海にある現地法人を米国法人傘下に置くのも「ITの発信地である米国とのパイプを確保しながら、欧米のITサービス事業者と競争する」(CAC)のが狙いだ。

 営業活動の本格化に向けて、CAC上海と2002年春に子会社化した現地ソフト会社、高達計算機技術(蘇州)の役割分担も明確にする。今後は、CAC上海はシステム構築の上流工程と市場開拓のためのマーケティング機能に特化。詳細設計から開発、テストなどは高達計算機技術が担う。2003年は、CAC上海を80人体制に、高達計算機技術は60人強の体制に、それぞれ拡大する予定。(志度)