「Webサービスの普及には,サービス提供者の信用や与信を保証する会社が必要だ」。こう話すのは,Webサービスの啓蒙活動をしている日本IBMの米持幸寿ソフトウェア事業部ソフトウェア・マーケティングエマージング・テクノロジー・エバンジェリスト主任I/T・スペシャリスト。 

 次世代の中核技術と目されているWebサービスだが,国内ユーザー企業への導入はさほど進んでいない。Webサービスを使えば,インターネット上の公開されたサービス(アプリケーション)を自動的に検索し,様々なサービスを自社システムと連携して使うことが可能になる。しかし,国内事例ではSOAP(シンプル・オブジェクト・アクセス・プロトコル)の活用に限定されているのが現状だ。

 これは,サービスを登録するUDDI(ユニバーサル・ディスクリプション・ディスカバー・アンド・インテグレーション)に提供者の信頼性を保障する仕組みがないためだ。UDDIには,誰でも登録することができるので,利用者は本当に信用してサービスを利用できるかが分からない。

 そこで,最近ではIBMやマイクロソフトが中心になって電子署名機能をUDDIの最新バージョンに盛り込もうとしている。「信用調査会社が電子カギを交付すれば,提供者の信頼性や与信額を電子的に判断できる。しかし,日本の与信サービス基盤はまだまだ整っていない。今後,調査会社などに是非やってもらいたい」(米持氏)と,国内調査会社の動きに期待を寄せている。(佐山)