ソフト開発会社のファモティク(東京都新宿区,荒柴雅美社長)は,同社が開発・販売する製造業向けアプリケーション・プラットホームFTK/WATSをベースにASP(アプリケーション・サービス・プロバイダ)同士がXML(エクステンシブル・マークアップ言語)で連携しながらユーザーにサービスを提供できる仕掛けを,同社の販売パートナと共同で推進する。同社はこれを「アプリケーション・マネジメント・ホスティング」と呼んでいる。

 まず,ファモティクがFTK/WATS上のアプリケーションとして開発した製品の設計・開発を支援するポータル機能や電子カタログ機能,情報共有機能を,販売パートナにASPとして提供してもらう。ASPの収益は,パートナとファモティクがシェアする。各パートナは,自社の得意分野で,FTK/WATS上のアプリケーションを開発し,それもASPとして提供する。次に,公開された複数のASPをXMLで連携する。いずれも同じプラットホームで動いているために,容易に連携できる。これにより,複数のパートナのASPサービスがユーザーから見れば一つのサービスに見える。

 ファモティクは,5月に日立製作所,インテルと業務提携している。この提携は日立製作所がFTK /WATS上のアプリケーションを開発し,ハードとしてインテルのIA64サーバーを使う「Solutionmax for Manufacturing CPCソリューション」として外販するというもの。この提携の延長線上で,現在,日立グループ内でアプリケーション・マネジメント・ホスティングの仕組みの検証をはじめている。9月末まで検証を行い,日立グループ内で10月からテスト運用を開始する予定。

 ファモティクでは2002年前半にも,アプリケーション・マネジメント・ホスティングの仕組みを立ち上げたい意向。現在,大塚商会,富士通,日立製作所,電通国際情報サービス,日立造船情報システム(東京都大田区,福武映憲社長),ベニックソリューション(兵庫県明石市,山本正和社長)の6社のパートナに,このサービスに参加するよう呼びかけている。

 FTK/WATS関連の2001年3月期の売り上げは約15億円。アプリケーション・マネジメント・ホスティングを立ち上げることで,2002年3月期には20億円の売り上げを見込んでいる。

 
(平田昌信=日経システムプロバイダ)

[日経システムプロバイダ2001年8月17日号,8ページより]