法人市場攻略の決定打として米グーグルが投入した、検索エンジン搭載のアプライアンスサーバー。検索サイトGoogleのブランド力を背景に、ユーザー企業内での高い認知度が、まずは商談の大きな追い風になっている。認証基盤など、セキュリティ商材との相性がよさそうだ。



 「自分たちでビジネスを作っているのか、Google検索アプライアンスに作ってもらっているのか、分からない」。そう言って笑うのは、ネットマークスの高木経夫サーバストレージ事業本部サーバストレージソリューション事業部営業部第ニグループマネージャーだ。

 同社がGoogle検索アプライアンス(GSA)の販売を開始したのは2005年6月。ユーザー企業からは、予想を上回る反響があった。高木マネージャーは「何といっても知名度の高さが効いた。イントラネットの横断検索という積年の課題を持つユーザーが、期待感を抱いている」と話す。

素早く反応した日本企業とは

 米グーグルがGSAを発表したのは2004年7月。「検索サイトで使っているのとほぼ同等の検索ロジック」(グーグル日本法人)をLinux上に搭載したアプライアンスサーバーで、購入後2年間は最新の機能が提供される。開発の発端は、米大手企業の「インターネットはGoogleで検索できて便利なのに、イントラネットだとなぜできないのか」という声だ。

 だが、日本でGSAにいち早く興味を示したのは、ソニーやNECなど「自社の公開サイトに専用のGoogleがほしい」と考えた大手消費財メーカーだ。グーグルは、独自の巡回ソフト「クローラー」を使って世界中のWebサイトの更新内容を収集し、検索用のインデックスデータを更新している。しかし大規模なWebサイトになると、この“共用”のクローラーだけではインデックスの更新が追いつかない。グーグル日本法人の村上憲郎社長は「GSAを導入すれば、細かい更新も即座に反映できる」と、“専用”の利点を説明する。

(佐竹 三江)