デルコンピュータは,自社開発のSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)対応ストレージ製品の販売を5月で終了する。すでに2001年1月から販売していたPowerVault 650Fは1月末で販売を終了しており,同660Fも2002年5月で販売を終了する予定。EMCからのOEM(相手先ブランドによる生産)製品に全面的に切り替える。

 デルは2001年10月にEMCとの提携を発表,12月からEMCのClarixをDell/EMCシリーズとして発売した。SANとDAS(ダイレクト・アタッチド・ストレージ)製品としてDell/EMC FC5300など,NAS(ネットワーク接続型ストレージ)製品として上位機Dell/EMC IP4700を販売している。

 デルは自社開発のPowerVault SAN製品へのサポートは継続,650F専用のディスク拡張ユニットも2003年5月までは販売するが,新規顧客にはOEM製品を提供する。「顧客からよりパフォーマンスの高い製品を求められており,それをより早く提供するためにはPowerVault SANを強化するより,デファクト・スタンダード的な存在になっているEMC製品のほうがメリットが大きいと判断した」(デル)。今後は次世代SAN製品をデルとEMCが共同開発したり,デルのSCM(サプライ・チェーン管理)システムをEMCに提供するなど,EMCとの協業体制を強化していく方針だ。

(中井)