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保存データはリモートで消去
紛失時の漏えいを防ぐ【後編】


携帯電話のセキュリティを知る(その6)

2005/08/04

 電話帳やメール・ボックス,スケジュールなど,携帯電話にはさまざまな情報を保存できる。ビジネスで携帯電話を活用すると,電話帳やスケジュールには顧客や取引先の氏名,電話番号,役職などが記録され,メール・ボックスにも仕事上のやり取りが残る。さらに,携帯電話に業務用アプリを実装して社内システムのデータを保存して持ち歩くとなれば,なおさら携帯電話は機密情報の塊となっていく。

 常に持ち歩く携帯電話は,紛失や盗難に遭うリスクが高い。個人情報保護法が4月に完全施行されたこともあり,いざという時のために保存した機密情報を読み取られないための防御法が欠かせなくなっている。こうした中,携帯電話から情報を流出させない仕組みとして,遠隔地からのリモート操作で端末内のデータを“消去”できるサービスやシステムが充実してきた。

 携帯電話内のデータを遠隔消去するソリューションは,4月にまとめた【前編】以降も増加の一途をたどっている。4月時点では,KDDIのau携帯電話を対象とした法人向けのソリューションがほとんどだった。ところが8月時点では,NTTドコモやボーダフォンの携帯電話を対象としたソリューションが出そろうとともに,ビジネス・パーソンが個人で利用できるサービスも増えてきた。

 携帯電話のデータをリモート消去して,万が一の盗難や紛失から機密情報を守る手段について,仕組みや利用方法を見ていこう。

消去できるデータは実現方式により違う
iアプリとVアプリはアプリ内データだけが対象

図1 消去できるデータはケータイ・アプリにより異なる
図1 消去できるデータはケータイ・アプリにより異なる
NTTドコモのiアプリとボーダフォンのVアプリは,アプリ内のデータが消去の対象。KDDIのBREWアプリやNTTドコモのFOMA M1000のSymbianアプリは,携帯電話が標準装備している電話帳なども消せる。
※図をクリックすると拡大図を表示します。

 携帯電話に保存された内部データを消去するには,携帯電話に実装したアプリにネットワーク経由で消去の指示を送って,消去を実行する。この際,携帯アプリの種類によって,消去できるデータの種類が異なる(図1)。

 一つは,携帯アプリの内部に保存したデータだけを消去する方式。NTTドコモのiアプリやボーダフォンのVアプリは,携帯電話が標準で備える電話帳やメール・ソフトといった,いわゆるネイティブ機能を制御できない構造になっている。このため,iアプリとVアプリを使った遠隔データ消去では,アプリ内のデータだけが消去の対象になる。

 一方,KDDIのBREW(binary runtime environment for wireless)アプリは,現行の最新版BREW2.1ならば携帯電話が標準装備している電話帳を制御できるため,電話帳内のデータ消去が可能である。さらにSymbian OSを使うNTTドコモの「FOMA M1000」では,Symbian用のアプリが,携帯電話内の電話帳やメール・ボックスのデータなども消去できる。

 これらの差は,必ずしも機能の優劣にはつながらない。アプリ内のデータだけしか消せなくても,重要な顧客情報などは携帯アプリ内に保存できればいい。どこにデータを保存して,どのデータを遠隔消去するかは,ソリューションの仕組みとともに業務上の運用方法を考えて対処することになる。

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