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携帯電話を内線通話にも使う
10〜500台規模へすそ野が拡大

中小規模向けモバイル・セントレックス【前編】

2005/04/28
 オフィスの内線電話代わりに携帯電話端末を使う,いわゆる“モバイル・セントレックス”。2004年半ば以降,携帯電話事業者各社が対応するシステムやサービスを提供し始め,実際の導入も始まっている(モバイル・セントレックスについては,特集「モバイル・セントレックスとは」を参照)。すでに一人1台が当たり前の携帯電話を内線用の端末としても使えるようにすることで,コストダウンや業務の効率化を可能にする。

 モバイル・セントレックスは当初,端末数が500〜1000台を超える大規模ユーザー向けシステム/サービスが中心だった。その後,ユーザー企業の注目度アップに伴い,サービス・メニューの拡充が進み,2005年になって10台規模からでも導入できる中堅・中小企業向けのソリューションが続々と登場している。

小型・低価格の小規模向け機器や
中小規模向けのサービスが登場

 モバイル・セントレックスの第一のメリットは,構内の通話であれば従来の内線電話網と同じように,端末間の通話を無料にできること。固定電話機を使っていた内線電話をワイヤレス化することで,ユーザーが離席しているときでも電話を受けられるほか,異動やレイアウト変更などに伴う配線工事が不要になるといったメリットがある。

 さらに,モバイル・セントレックス用のシステムやサービスを既存のPBX(private branch exchange:構内交換機)やIP電話ネットワークと接続すれば,外線からの固定電話番号あての着信を,携帯電話で受けることもできる。代表番号への着信で当該部署内すべての端末を呼び出したり,外線からの着信を別の端末に転送することも可能である。

 携帯電話事業者各社のモバイル・セントレックスの概要と,中小規模ユーザーへの対応状況を表1にまとめた。

表1 携帯電話を内線に使うシステム/サービスの概要
携帯電話事業者 構内交換機能 内線設備と方式 対応端末 中小規模向けの現状
NTTドコモ
「PASSAGE DUPLE」
SIPサーバー(ユーザー設備) 無線LAN基地局(IEEE802.11b) FOMA N900iL(内線通話はVoIP) 中小規模向けのシステムや,SIPサーバー内蔵無線LANアクセス・ポイントが登場。端末10台規模から導入が可能に
KDDI
「OFFICE WISE」
OFFICE WISE装置(KDDI設備,ユーザーの「宅内設置型」とKDDIの「局内設置型」がある) au屋内アンテナ(CDMA 1X) au端末全機種(プリペイド端末は除く) OFFICE WISE装置をau網内に設置する「局内設置型」のサービスを2005年4月に追加。端末300台から導入が可能
ボーダフォン
「Vodafone Mobile Office」
ボーダフォン網 不要(W-CDMA) Vodafone 3G端末 契約は端末20台以上から。ボーダフォンの公衆網用基地局を利用するため,ユーザー設備は不要

写真1 NTTドコモの「FOMA N900iL」
写真1 NTTドコモの「FOMA N900iL」
無線LAN(IEEE802.11b)とFOMAのデュアル端末で,内線では無線LAN上のVoIP通信で通話を行う。
 FOMAと無線LANのデュアル端末「FOMA N900iL」(写真1)を使ったNTTドコモの「PASSAGE DUPLE」は,交換機能を提供する機器としてIP(internet protocol)電話と同じSIP(session initiation protocol)サーバーを使う。音声通話は無線LAN上でのVoIP(voice over IP)通信の仕組みで行い,無線設備として無線LANアクセス・ポイントの設置が必要だ。2005年に入ってから小規模システム向けのSIPサーバーや,SIPサーバー機能を内蔵した無線LANアクセス・ポイント機器が登場し,10台規模からPASSAGE DUPLEの導入が可能になった。

 KDDIの「OFFICE WISE」サービスでは,交換機能を専用の「OFFICE WISE装置」が担う。当初はOFFICE WISE装置をユーザーの建屋内に設置する「宅内設置型」のメニューだけで,1000台以上の端末を使う大規模システムが対象だった。2005年4月にKDDI局舎内に設置したOFFICE WISE装置を利用する「局内設置型」をサービス・メニューに追加。局内設置型では端末300台からの中規模システムで導入できるようにした。

 ボーダフォンの「Vodafone Mobile Office」は,NTTドコモやKDDIのサービスと異なり,専用の交換設備を使わず,ボーダフォン網の交換機能を利用する。そのためユーザー側や網側に特別な設備は不要で,20台以上と少数から利用できる。その代わり,企業内のPBXと接続して携帯電話と固定内線電話を一元的に運用することはできない。

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