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【速報】無線ICタグEPCglobal規格の国際標準化に遅れ、ISO/IECへの提案は早くても年末

2004/11/19

 無線ICタグの標準化団体であるEPCglobalの次世代規格「UHFジェネレーション2」(Gen 2:ジェンツー)の国際標準化(ISO化)が予定よりも遅れることになった。ISO/IECで無線ICタグの標準化作業を進めているJTC1/SC31(自動認識およびデータ取得技術)/WG4(RFID)でエアープロトコルを担当するSG3は2004年11月17〜18日、フランスのアクサンプロバンスで会議を開いたが、当初予定されていたGen 2の提案は見送られた。再提案は2004年末の見込みだが、さらに遅れる可能性もある。

 EPCglobalのGen 2は、米Wal-Mart Storesや米国防総省など主要なユーザーが採用を表明しているもので、世界の主要なICタグメーカーが共同で標準化を進めている。当初メーカー間で意見が分かれていたが2004年6月に「Chicago Protocol」としてプロトコルを統一。そのあと細かい修正を加えて2004年10月には正式仕様とし、ISO/IECの場で国際標準にする計画だった。

 ところがGen 2の標準化の過程で問題が発生した。Gen 2の規格に自社の知的財産権(IP)が含まれるため、そのランセンス供与に対価を要求するというメーカーが現れたのだ。米国大手のICタグ/リーダーメーカーのIntermec Technologiesである。EPCglobalはメンバー企業に対して、Gen 2にかかわるIPをライセンスフリーで提供することを求めていた。Intermec以外の企業はそれに同意したが、Intermecはそれを拒んだ。Intermecは、成立済みと申請中のものを含めて18の特許がGen 2に含まれると主張し、そのうち5個は無償提供するが、残りは非差別的かつ合理的なライセンス料金で提供する(RANDと呼ぶ)と主張した。

 11月17日からのISO/IECの会議では、このように主張するIntermecとEPCglobalが折り合いを付け、Gen 2規格を提案する予定だった。これまでEPCglobalのメンバーしか閲覧できなかった規格が初めて公になると期待されたいた。そのため「通常SG3会議の参加者は15〜20人程度だが、今回は日本の5人を含む35人が世界11カ国から集まった」(電子情報技術産業協会AIDC/WG4委員会委員長の渡辺淳氏)。ところが今回の提案は見送られた。

 会議では、EPCglobalでGen 2の標準化を進めるHAG(Hardware Action Group)の共同議長である米ImpinjのChris Diorio氏から次のような説明があった。Gen 2の暫定仕様(Candidate Specification)は2004年10月1日に承認されたが、IntermecのIP問題が解決していない。Intermecが主張する特許にGen 2が抵触するかどうかをEPCglobalの法律顧問が現在調査中である。それと並行して2004年12月初旬には、現在のGen 2仕様に基づくプロトタイプを開発して規格に問題がないことを確認する。12月末までにはEPCglobalの理事会で規格を最終承認し、そのあとISO/IECに再提案する。Gen 2準拠のICタグ・チップは2005年第2四半期にも、オランダRoyal Philips Electronicsや米Texas Instruments、米Impinjなどが出荷する見込みである。

 もっともIntermecのIP問題が決着しない場合、Gen 2の規格化はさらに遅れる可能性がある。EPCglobalは、現在のGen 2規格がIntermecの特許に抵触し、ライセンスフリーの条件を達成できないと判断した場合、Gen 2規格を作り直す考え。IntermecのIPに依存する部分を取り除き、ランセンスフリーで使える規格にする。そうなれば規格の作成作業だけで数カ月かかるとみられ、国際標準化、そして製品化がそれだけ遅れることになる。

(安東 一真)

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