全日本空輸(ANA)は,機内の乗客がインターネットに接続できるサービスを11月15日に開始する。アジアの航空会社としては初の機内インターネット接続サービスとなる。乗客が機内に持ち込んだパソコンなどで,Webの閲覧および電子メールの送受信ができる。

 対象となる便は成田-上海線で,成田発のNH919便と上海発のNH920便。サービスは有料。1回の搭乗中に使い放題の定額制が19.95米ドル,従量制は最初の30分が7.95米ドルで以降1分ごとに0.25米ドルである。事前の申し込みは不要で,クレジットカードで決済する。

 このサービスは,米ボーイングのインターネット接続サービス部門である「コネクション・バイ・ボーイング」(Connexion by Boeing)が提供する接続サービスを利用するもの。衛星を介して航空機と地上のゲートウエイを結ぶことで,機内から地上のインターネットにアクセスできる仕組みである。ユーザーが機内に持ち込んだパソコンなどは,有線LAN(エコノミークラスを除く)またはIEEE802.11b方式の無線LANで機内のゲートウエイに接続する。通信速度は,上りが数百kビット/秒,下りが数Mビット/秒の見込みだ。

 ANAでは,2005年度から欧米路線を中心に提供路線を順次拡大する方針である。同じ仕組みを用いた機内インターネット接続サービスは,すでに2004年6月から独ルフトハンザ航空が成田-ミュンヘン線で提供中。日本航空(JAL)は年内に,デンマークのスカンジナビア航空も2005年初頭には成田発着便でサービスを提供する予定である。

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