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無線ICタグの限界に挑戦、困難なCD/DVD管理に成功(第1回-1)笠間市立図書館
書籍などの貸し出し業務を効率化するため、茨城県の笠間市立図書館は日本で初めて、無線ICタグを利用した「自動貸出機」の実運用を開始した。CDとDVDの管理も可能にしたのが特徴で、実現までにはいくつもの試行錯誤があった。 CDやDVDに無線ICタグを直接張り付けて書籍と一緒に管理したい――。茨城県の笠間市立図書館は、これまで困難と言われてきたICタグの新しい利用法にチャレンジし、書籍とCD/DVDの「自動貸出機」を導入した。国内で初めて実運用に漕ぎ着けた(写真1)。
人口約3万人の笠間市に、同図書館がオープンしたのは2004年4月23日。開館から3カ月間で約12万冊を貸し出すなど、滑り出しは上々だ。同図書館の清水隆館長は、「利用ペースは想定の2倍以上」と嬉しい悲鳴をあげる。同時に、苦心して開発した図書管理システムの効果を実感することにもなった。 貸出業務を効率化する目的で、ICタグを導入した図書館は過去にも例がある。ただし、ICタグを張り付けて管理するのは書籍だけだった。CDやDVDを管理したくても、ICタグの仕様上、メディアに直接ICタグを張り付けることができなかったためである。代替案として、CD/DVDのケースにタグを張り付けて棚に陳列し、中身のメディアだけ貸出カウンター内の棚に取り置きしておく方法が一般的だった。メディアの無断持ち出しを防ぐためだ。 利便性を重視した3つの要件
笠間市立図書館の設計段階から関与していた清水氏は、図書管理システムとICタグを組み合わせるに当たり、3つの要件を掲げた(図1[拡大表示])。(1)書籍だけでなく、CD/DVDにもICタグを直接張り付ける、(2)書籍やDVDが重なり合った状態でも、ICタグの情報が読み取れる、(3)出入り口に設置する「貸出確認ゲート」と連動させる――である。 中でも要件(1)は、円滑な貸出作業に直結するため、特にこだわった。CD/DVDのケースとメディアを別々に陳列/保管する方法では、「貸出手続きの際にメディアを探してケースに入れる手間がかかるため、利用者を待たせてしまう。手続きが煩雑になるだけでなく、メディア用の棚を別に用意するのも非効率だ」(清水氏)。 要件(2)は、自動貸出機の読み取り精度を確保するために重要となる。図書管理システムでは、利用者が自動貸出機(図1中央)の上に書籍、CD/DVD、利用者カードを置くだけで、貸出手続きを完了できる仕組みにする。ただし、「一般の利用者にICタグの電波強度や通信距離を意識させるのは無理だろう。書籍やメディアを無造作に重ねた状態でも、自動貸出機がICタグのデータを正しく読めるようにしたかった」(同氏)。
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