JRA(日本中央競馬会)とNAR(地方競馬全国協会),日本軽種馬登録協会が,2007年からICタグを導入することが明らかになった。ICタグは競走馬の首筋に埋め込み,個体識別のために利用する。2007年以降に生まれた競走馬から順次導入していく。

 現在競走馬は,日本軽種馬登録協会にあらかじめ登録してある顔や足の白斑,毛色,つむじの形と照合することで個体を識別している。この方法だと,照合には専門知識が必要なうえ,時間がかかるという問題があった。競走馬に埋め込んだICタグをリーダーで読み取ることで,照合にかかる時間を短縮するのが導入の狙いだ。

 ICタグは,動作する周波数が134.2kHzのものを使う。また,ICタグは体温センサーを内蔵しており,トレーニング・センターや牧場で競走馬の健康状態を知るためにも使われる。

 ICタグの価格は1個3000円前後。2007年以降に生まれた競走馬は,ICタグを埋め込んでいないとレースに出走できないため,毎年約8000頭生まれるすべての競走馬にICタグを埋め込むことになる。現役馬への導入はまだ決まっていない。

(松浦 龍夫=日経システム構築)