チェック・ポイント・ソフトウエアテクノロジーズは4月11日,小規模拠点向けのVPN(Virtual Private Network)/ファイアウォール装置「VPN-1 Edge W」シリーズを発表した。4ポートの小型LANスイッチの機能を併せ持つ。出荷済みの「VPN-1 Edge x」シリーズと比べると,最大108Mビット/秒で無線アクセスできる無線LAN高速化技術「Super-G」のアクセス・ポイント機能を追加したことなどが新しい。出荷予定は5月。価格はユーザー数,8/16/32/無制限の4段階で変わり,8ユーザーの場合で12万8000円。

 Wシリーズを利用すると,拠点内のPC同士を無線接続したり,インターネットに無線アクセスしたりすることが可能になる。無線部分のセキュリティを高めるため,IPSecで暗号化する機能を加えた。PCに「SecuRemote」(Windows版/無償)や「SecureClient」(Macintosh版またはPocket PC版/有償)をインストールしておくことで,暗号化が可能になる。無線LANで一般的なWPA/WPA-PSK/WEPにも対応する。アクセスポイントのESS-IDを隠す機能も搭載する。VLAN(Virtual LAN)を構成し,VLAN間のアクセス可否をファイアウォール機能で制御できるため,無線と有線を別のVLANに分けて異なるセキュリティ・ポリシーで管理するという使い方にも対応する。また,USBポートを搭載しており,プリンタやネットワーク・ディスクを装着してLAN上で共有するという使い方にも対応した。

 冗長化機能も搭載する。インターネットへのアクセス回線を2重化して障害時にバックアップ回線に切り替える機能を搭載する。シリアル・ポートにモデムを接続しておけば,ダイヤル・アップ接続をバックアップ回線に使うこともできる。VPN-1 Edge Wそのものを2重化し,故障時にホット・スタンバイ機で代替することも可能だ。

 VPN-1 Edgeシリーズは,同社の統合管理ツール「SmartCenter」や「Provider-1」などで集中管理できる。このため,例えば「VPN-1 Edge W」を各拠点に,「VPN-1 Pro」を本社に導入しておき,本社から各拠点のVPN-1 Edge Wにポリシーを一括して配信したり,設定を変更したりするという使い方ができる。

 同社は同時に,中堅企業向けのファイアウォール/VPN製品「Check Point Express CI」を4月末に出荷することを発表した。「Check Point Express」に,米Computer Associatesのウイルス対策エンジンを統合している。価格は50ユーザーの場合で64万円から。

(実森 仁志=日経システム構築)