米Sun Microsystemsは,2005年第2四半期にUNIX OS「Solaris 10」のソースコードを公開する。Solaris 10の新機能を含む大部分が対象で,対象にならないのは他社が開発したドライバなどに限られる。オープンソース版Solarisの名称は「OpenSolaris」。今後は,コミュニティ(www.opensolaris.org)によって自律的に機能拡張などが行われるようになる。

 Sun Microsystemsがコミュニティに提供するものは,Solaris 10のソースコード,ツール,ドキュメント,サンプルなど。2005年第2四半期に提供されるソースコードが,OpenSolarisの最初のコードになる。コミュニティはそのコードに機能を追加したり,ドライバを開発したりする。OpenSolarisのライセンスは,Sun Microsystemsが提案した「CDDL(Common Development and Distribution License)」。無償で利用でき,改変も自由である。LinuxのGPL(General Public License)と異なり,改変部分を必ずしも公開しなくてもよいという特徴を持つ。

 OpenSolarisと製品版Solarisの関係は,LinuxとLinuxディストリビューションの関係と同じになる。Sun MicrosystemsはこれからもSolarisを提供し続け,将来の製品版SolarisはOpenSolarisのコードがベースになる。同社はSolarisの開発部隊をそのまま維持し,製品版Solarisのテストやサポートなどを行う。従来と同程度の品質や互換性を維持する計画である。

 製品版Solaris 10のバイナリは2005年2月1日からダウンロードが可能になっており,価格はシステム構成にかかわらず無償。アップグレードも無償で行える。

(松山 貴之=日経システム構築)