マカフィーは2月1日,企業向けのスパイウエア対策ソフト「McAfee Anti-Spyware Enterprise Editionモジュール」(画面)とウイルス対策ASPサービスの新バージョン「McAfee Managed VirusScan」を発表した。スパイウエアの駆除が可能な対策ソフトは業界初という。利用規模に合わせて運用管理しやすいことが主な特徴である。

 Anti-Spyware Enterprise Editionモジュールは,同社の企業向けウイルス対策ソフト「McAfee VirusScan Enterprise 7.1/8.0i」のアドオン製品である。対象とするのは,スパイウエアやアドウエア,ダイヤラー,キー・ロガーといった不審なプログラム。クライアントPCやサーバーにインストールされたスパイウエアをスキャンして検知するだけでなく,スパイウエアのインストールを自動的にブロックできる。

 メモリー上のプロセスを検査し,メモリー上に常駐する不審なプログラムも除去する。また,ディスクをスキャンして,不審なプログラムに関連するレジストリや不審なクッキーを検出して削除する機能も備える。VirusScan Enterpriseのアドオン製品であるため,同製品の一元的なポリシー管理やレポーティング機能を持つ管理ソフト「McAfee ePolicy Orchestrator」などで管理できる。

 Managed VirusScanは,従来までVirusScan ASaPの名称で提供していたものをバージョンアップした。主な新機能は,「緊急ウイルス対応」や「バッファオーバフロープロテクション」など。McAfee VirusScan Enterprise 8.0iで搭載した機能をManaged VirusScanにも追加した。緊急ウイルス対応は,危険度が「中」以上のウイルスが発生したときに,ウイルス定義ファイルを1時間以内に更新できる機能だ。バッファオーバフロープロテクションは,Windowsプログラムを悪用するバッファ・オーバーフローをブロックする。既存のVirusScan ASaPからは,無償でアップグレードできる。Managed VirusScanでもスパイウエア対策はできるが,検出するのは上位200種の不審なプログラムとなる。

 McAfee Anti-Spyware Enterprise Editionモジュールの出荷は3月上旬で,予定価格が1980円(1から25ノードまでで1年間の新規契約の場合)。Managed VirusScanの出荷は3月中旬で,価格は8640円(1から25ノードまで1年間の新規ブロンズサービスの場合)。

(岡本 藍=日経システム構築)