UML(Unified Modeling Language)ツールなどを提供する日揮情報ソフトウェアは,ビジネス・プロセスの新モデリング・ツール「ITpearls Process Modeler for Microsoft Visio(以下,Process Modeler)」を発表。1月14日からStandard版の出荷を開始した。企業内,企業間の事務フローを表記するツールで,「BPMN(Business Process Modeling Notation) 1.0」という標準仕様に準拠している。製品の開発はスイス ITpearls。価格は4万3000円で,ダウンロード(http://www.componentsource.co.jp/)販売のみである。

 Microsoft Visio上で動くツールであり,モデルの描画はVisioの機能を使う。Process Modelerの主な機能は,BPMN 1.0に準拠しているかどうかの検証機能と,XML形式へのエクスポート機能。Standard版のほか,レポート機能を強化した「Business版」と,ワークフローの標準仕様「BPEL4WS」に対応した「Professional版」を提供する予定。Professional版は5月の出荷を予定している。

 Process Modelerが準拠しているBPMNとは,ビジネス・プロセスをモデルとして示すための表記方法と,その意味を定義した仕様である。標準化団体「BPMI(Business Process Management Initiative)」が,2004年5月に「BPMN 1.0」を策定した。この仕様の特徴は,情報システムだけでなく,従業員の業務を含めた事務フローをモデルとして表記できることだ。そのためIT担当者だけでなく,業務分析担当者の利用も想定している。

 日揮情報ソフトウェアは,BPMNとUMLは補完関係にあると考えている。BPMNでプロセス間のフローをモデル化し,UMLでは新規開発が必要なプロセスのモデル化を行う。こうした使い分けを想定している。

(松山 貴之=日経システム構築)