サン・マイクロシステムズは11月30日,最新版のOS「Solaris 10オペレーティングシステム」を発表した。約2年半ぶりのメジャー・バージョンアップとなる。商用,研究用などの使用目的にかかわらず,4CPUまではライセンスを無償にした。無償のダウンロード提供を2005年1月31日に開始するほか,2005年2月からメディアキット(有料)でも提供する。5CPU以上のライセンス料金はダウンロード開始ころまでに発表する予定。

 「Solaris 10は,さまざまなチップセットで動作するというOSの新しい標準を実現した」(専務取締役 営業統括本部長 末次朝彦氏)ことが特徴の一つ。SPARC,x86,AMD64,EM64T対応のCPUなどを搭載する270種類以上のサーバーで動作する。同社では,フロントエンドからバックエンドまですべての層でのSolaris 10の稼働を目指す。

 Solaris 10の主な新機能は,(1)カーネル内の4万の測定ポイントから動的にデータを取得してボトルネックを特定する「Dtrace」,(2)ソフトウエア・パーティショニングを実現する「Solarisコンテナ」,(3)障害発生時にオンライン中のプロセスやアプリケーションの再起動を動的に行う自己修復機能「予測的セルフヒーリング」,(4)rootユーザー権限を必要に応じたアクセス権限に分割する「プロセス権限管理」,(5)Linuxアプリケーションをネイティブで動作させる「Linuxアプリケーション環境」,(6)128ビットの新しいファイル・システム「Solaris ZFS」---など6つ。(1)から(4)までは出荷時に搭載するが,(5)は出荷開始から約5カ月後に予定している第1アップデート・リリースで搭載する。(6)は第1アップデート・リリースか,第1アップデート・リリースの3カ月後に予定している第2アップデート・リリースで搭載する。

 なお,サポート・サービスは有料である。サポート内容によって3種類あり,ベーシック・サービスが1万4400円,スタンダード・サービスが2万8800円,プレミアム・サービスが4万3200円(いずれも1CPU1年間の税抜き価格)。

(岡本 藍=日経システム構築)