日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とエヌ・ティ・ティ ファシリティーズ(NTTファシリティーズ)は8月26日,HP製のサーバーやストレージ製品の導入と,サーバー・ルームの電源や空調に関するコンサルティングから設備の構築までを行う「サーバシステム環境トータルソリューション事業」で業務提携することを発表した。大規模なデータセンターから社内のサーバー・ルームまでのすべてのユーザーを対象とする。

 「3年前と比較して,CPUの性能向上と共に(サーバーの)消費電力や発熱量が約3倍増加している」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリ スタンダード サーバ製品本部 プロダクトマーケティング部 部長 正田三四郎氏)。そのため,サーバーの導入寸前になって,データセンターやサーバー・ルームの既存の電力設備や床荷重などに問題が判明し,導入が延期になるケースがあるという。特に,これから導入が多くなると考えられるブレード型サーバーは,限られたスペースにより多くのCPUを搭載できるという「システム面でのメリットばかりに注目し,電源や空調などの設備を見逃してしまう危険性がある」(NTTファシリティーズ エネルギー事業本部 副本部長 中村公雄氏)。

 今回の業務提携で,日本HPは自社のサーバーやストレージ製品の電源などの情報をNTTファシリティーズに提供。HP製品を利用する際の設備面のコンサルティングを,NTTファシリティーズが行える体制を構築した。これにより,例えば「HPのブレード型サーバーはどのような電源を用いているかがすぐ分かる。そのため,どの程度の電力が必要かを調べる時間を減らせ,設備の整備をいち早く行えることで,サーバーの導入までを効率化できる」(中村氏)。

 今回の業務提携に併せて,無料の簡易リスク診断サービスを8月27日から10月末までの期間限定で提供する。このサービスは,HPのブレード型サーバー「HP ProLiant BL20p/30p/40pシリーズ」の導入を検討するユーザー向けの,建物や設備などに関するコンサルティング・サービスである。

(岡本 藍=日経システム構築)