ウイングアークテクノロジーズ(旧・翼システム 情報企画事業部)は8月26日,Webベースで帳票を入力/出力する電子フォーム・ソフトの新版「Visual Comform ver. 6.3」を9月1日に出荷すると発表した。新版では,帳票への入力内容の正当性をクライアント側でチェックできるようにするなど,使い勝手をリッチ・クライアント並みに高めた。また,電子フォームのひな型に使えるファイル形式として,従来からサポートしていたWord/Excelファイルなどに加え,PDF(Portable Document Format)ファイルをサポートした。

 Visual Comformは,2つのコンポーネントで構成される。一つは,紙の帳票をそのままの見た目で電子フォームに変換するツールである「電子フォームデザイナ」。もう一つは,電子フォームをクライアントPCに送信し,入力結果をXML(Extensible Markup Language)形式で受信するためのサーバー機能「専用サーバクラスライブラリ」である。

 電子フォームデザイナでは,紙に印刷した帳票や,Word/Excel/PDFファイル形式で保存した帳票のひな型を,OCR(Optical Character Reader)機能を使って取り込み,2種類の電子フォームに変換する。(1)ケイ線や網掛けなどの描画にVML(Vector Markup Language)を利用したHTML形式,(2)PDF形式,である。(1)は,クライアントPCにWebブラウザとして「Internet Explorer 6 Service Pack 1」以降が必要だが,アドオン・ソフトなどの導入は不要だ。(2)は,あらかじめ「Acrobat Reader 5.0/5.05/6.0」をクライアントPCに導入しておく必要がある。新版では,(1)(2)にかかわらず,必須チェックや文字種チェックなどの判定ロジックを電子フォーム上にJavaScriptで記述し,クライアント上で実行できるようになった。従来は,判定ロジックは原則的にサーバー側で動作していたため,いちいちサーバーと通信しなければ入力内容の正/不正がわからず,使い勝手が悪い場面もあった。

 専用サーバクラスライブラリでは,クライアントPCに電子フォームを送信したり,電子フォームから受信したXMLデータを処理したりする。必須チェックや文字種チェックなどの判定ロジックを記述するクラスや,データベース・サーバーに受信データを書き込むクラスなどが用意されている。新版では,受信したXMLデータのうち,不正な情報が入力されている項目(電子フォーム上のフィールド)についてのみ,再入力を求める電子フォームを生成できるようになった。従来は,正しい情報が入力されているフィールドについても再入力を求めてしまっていたが,使い勝手を改善した。

 電子フォームデザイナの稼働OSは,Windows NT4.0/2000/XP Professionalで,価格は126万円。専用サーバクラスライブラリの稼働OSは,Windows NT4.0/2000/XP Professional,Linux,UNIXで,価格はサーバーあたり52万5000円。

(実森 仁志=日経システム構築)