ナムコは,クライアントPCの最適なスペックを見極めてPCのリプレースを行っている。2004年8月時点で約200台にこの方法を適用したところ,100万円程度のコスト削減効果があった。クライアントPCのリソース利用状況を把握するため,「やみくもにCPUやメモリーを増設したり,クライアントPCを買い換えたりすることを防ぐ」(ナムコ CTクリエイターグループ チームリーダー 村田寿夫氏)効果がある。最終的には約1000台のクライアントPCに適用し,数百万円のコスト削減効果を見込んでいる。

 リソース利用状況の把握には,蒼天のリソース管理ソフト「GASAIRE」を使っている。GASAIREはWindowsのパフォーマンスを測定,監視するもので,もともとはWindowsサーバーのボトルネックを解析するためのツール。ナムコは,このツールをクライアントPCのリソース利用状況を調べるために導入した。

 ナムコでは,約350人がゲームのデザインを行っている。デザイナが利用するクライアントPCは扱うデータ量が膨大で,高負荷がかかる。デザイナからパフォーマンスが悪いといった苦情があるとクライアントPCを買い替えていたが,「オペレーション・ミスなどの使い方の問題があったこともあり,その場合,入れ替えても問題が解決しなかった」(村田氏)。逆に,本来ならリプレースをすべきマシンでも,デザイナから何も声が上がらないと,ロー・スペックのまま作業していることもあった。

 GASAIREでクライアントPCのリソース利用状況を調べ,メモリー不足の場合はメモリーのみを追加したり,CPUネックの場合はCPUのみをクロック・アップしたりできるようになった。さらに今後は,デザイナが利用する全クライアントPCの計画的なリプレースのために,「事前に問題を把握できるようにして,トラブル対処の時間を減らしたり,生産性を向上したりできるようにしたい」(村田氏)。

(岡本 藍=日経システム構築)