ノベルは8月5日,カーネル2.6に対応した企業向けLinuxサーバーOS「Novell SUSE LINUX Enterprise Sever 9」の出荷を開始した。「カーネル2.6に対応した製品は,エンタープライズ向けディストリビューションとしては初めて」(マーケティング本部 プロダクトプランニング 飯田敏樹氏)という。

 SUSE LINUX Enterprise Sever(以下,SLES)は,PCサーバーからメインフレームまでの異種プラットフォーム上で単一のソース・コードが動作することを売りにしたLinuxディストリビューション。バージョン9ではカーネル2.6に対応,搭載可能なCPU数に上限がなくなった。また,CKRM(Class-based Kernel Resource Management)機能により特定のプロセスがCPUリソースを占有しないように制御できるようにした。2ノードのクラスタ機能を標準装備して可用性も高めている。

 SLES9を拡販するにあたり,同社マーケティング本部本部長の斉藤雅美氏は「技術,販売の両面でパートナー企業と密接に協業し,きめ細かなサポート体制を敷くことで他のディストリビューションと差別化を図る。2007年度には120億円と推定されるLinux市場で半分のシェアを占めたい」と意気込みを語る。

 同製品はライセンス販売の形式を採る。価格はオープンだが,PCサーバー向けライセンスの市場推定価格は約11万円。1ライセンスで16CPU(物理的なCPUの個数)まで利用できる。

(菅井 光浩=日経システム構築)