トレンドマイクロは7月26日,企業向けウイルス対策ソフトの新版「ウイルスバスター コーポレートエディション 6.5」を発表した。新版では,ネットワーク経由で感染を広げるBlasterなどの“ネットワーク型ウイルス”を検出・遮断できるようになった。価格は3万6000円(5ユーザー時,税別)。8月20日から出荷を開始する。

 新機能の目玉は,パーソナル・ファイアウォールの搭載によるネットワーク型ウイルスへの対応である。一般的なファイアウォールと同等のパケット・フィルタリング機能に加えて,ネットワーク型ウイルスを検出するための「ジェネリックストリーム検索」機能を備えた。ジェネリックストリーム検索はネットワーク型侵入検知システムと同様の機能である。ネットワーク上を流れる通信データを調べ,ウイルスの特徴(パターン)と比較することでネットワーク型ウイルスを検出・遮断する。これまでのバージョンでは,ファイルに感染するタイプのウイルスのみが検出・駆除の対象だった。

 このほかの追加機能は,(1)スパイウエアやアドウエアと呼ばれる不正プログラムの検出,(2)Ping of Deathなどネットワーク・レイヤーでの不正アクセスを検知する侵入検知システムの搭載,(3)米Cisco Systemsが提唱する,セキュリティ対策が不十分なPCのネットワーク接続を防ぐ「Network Admission Control(NAC)」プログラムへの対応――などである。

(吉田 晃=日経システム構築)