インテルは6月29日,32ビットおよび64ビットのOS/アプリケーションを実行できるプロセサ「Xeon(コードネーム:Nocona)」の出荷を開始した。同社の64ビット拡張技術「EM64T(Extended Memory 64 Technology)」を搭載したCPUとしては初となる。動作周波数は,3.60GHzを筆頭に3.40/3.20/3/2.80GHzの計5種類。CPUとメモリーを結ぶシステム・バスを従来の533MHzから800MHzへと1.5倍引き上げた。従来の「ハイパースレッディング」技術も引き続き搭載する。価格は,3.60GHzモデルが9万4460円/1個(1000個受注時)。

 新版Xeonは,EM64T以外にいくつか新しい技術を備えている。CPUのアイドル時にクロック数や電圧を下げることで消費電力を抑える「デマンド・ベース・スイッチング」機能を搭載したほか,シリアルI/O技術「PCI Express」により「従来のPCI-Xと比較して実測で3倍程度はI/O速度が向上した。DDR2メモリーの採用もパフォーマンスの向上に寄与している」(エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プラットフォーム&ソリューションズ マーケティング統括部長の平野氏)。同氏は「今回発表したXeonは,これまでのクロック数やキャッシュ容量を向上した製品群とは大きく異なる。マイナー・チェンジではなく,フルモデル・チェンジ版である」と意気込む。

 会場ではXeonの発表に併せて,PCワークステーション向けチップセットの新版「E7525」を発表した。その際,サーバー向けチップセットとして発表が予定されている「E7520」および「E7320」についても「(本日から)60日以内には発表したい」(平野氏)と具体的な時期を明言した。早ければ8月後半には,新版Xeonを搭載したサーバー機が各PCベンダーから発表される見通しだ。

(菅井 光浩=日経システム構築)