日本ヒューレット・パッカードは4月22日,米AMDの64ビットCPU「Opteron」を搭載するPCサーバーを発表した。同社がサーバー用途で米AMD製のCPUを採用するのは初めて。

 発表したのは,ラックマウント型のPCサーバー「HP ProLiant DL585」と「同DL145」の2製品。DL585は6月から,DL145が5月から出荷開始する。

 DL585は高さ4Uサイズのラックマウント型(写真)。CPUを最大4個まで搭載できる点が特徴。日本IBMが先行出荷しているOpteron搭載PCサーバー「IBM eServer 325」は搭載可能なCPU数が2個だった。Opteronを4個搭載できるサーバーは国内で初となる。

 DL585は,米Intel製CPUを搭載する同クラスPCサーバー「DL580」の基本構成を踏襲しており,PCIスロット数やバス・クロックなど一部を増強した。ProLiant標準の管理ツール「Insight Manager」も利用できる。価格は「120万円(税別)」から。

 DL145は,高さ1Uサイズのラックマウント型。CPUの搭載数は最大2個でエントリ・モデルの位置づけ。DL145の最大の特徴は「14万2000円(税別)」という戦略的な値付けにある。「IBM eServer 325と同等スペックで比較した場合,カタログ・プライス上で3~5割は低く設定した」(日本ヒューレット・パッカード エンタープライズ ストレージ・サーバ統轄本部 インダストリー スタンダード サーバ製品本部 市場開発部 担当マネージャ 正田三四郎氏)。興味はあるものの手を出すには至らないユーザーの需要を喚起するのが狙いという。

 ただし,現時点では日本HPがフルサポートする64ビットOSがない点に注意したい。64ビット版の「Red Hat Enterprise Linux AS」や,64ビット版の「Windows Server」への対応については,「年内をメドにフルサポートできる環境を整えていく」(正田氏)。Opteron搭載PCサーバーは「32ビットOSやアプリケーションが動作する仕組みを備えているので,64ビット環境の評価だけでなく,32ビット環境でも利用してほしい」(同氏)と訴える。

(菅井 光浩=日経システム構築)