マイクロソフトは5月6日から順次,Windows XPなどの現行機上でWindows 95などの古いOS環境を構築するための仮想マシン・ソフト「Virtual PC 2004日本語版」を出荷する。企業向けボリューム・ライセンスは5月6日,店頭パッケージは5月14日に出荷する。パッケージの推定価格は1万5800円である。45日間の無償体験版はURL「http://www.microsoft.com/japan/virtualpc」からダウンロードできる。2004年夏には,サーバーOS用のVirtual PCの出荷も予定する。

 Virtual PCは,OS上に仮想のPCを作るソフトである。仮想PC上で別のOSを動作させる。用途は,企業のクライアントPCを新機種にリプレースしつつ,旧OSでなければ動作しない業務アプリケーションを使い続ける使い方である。例えば,1台のWindows XP機の上にWindows 95機を実現できる。

 Virtual PCの稼働OSは,Windows 2000 ProfessionalとWindows XP Professional。Virtual PCの仮想マシン上で動作させるOSのうち,マイクロソフトが動作を保証しているのは,MS-DOSやWindows 95/98,Windows NT,Windows 2000,Windows XPなど,マイクロソフトのクライアントOSである。

 また,2004年夏に出荷するサーバーOS用のVirtual PCは,Windows 2000 ServerなどサーバーOSを仮想マシン上で実行させるためのソフトである。用途は,分散したサーバー機種を1台のハードウエアに集約する“サーバー統合”である。管理ノードを減らせるため,運用管理コストを削減できる。

(日川 佳三=日経システム構築)