XML(Extensible Markup Language)データベース「NeoCore XMS」を提供する三井物産は,新バージョンの「NeoCore XMS 3.0」を,非商用・個人利用に限り無償化することを明らかにした。5月13日にLinux版,6月にはWindows版を,それぞれ「Xpriori」の名前で公開する予定。ユーザーの裾野を広げる狙いがある。NeoCore XMSの開発元は米Xpriori。

 NeoCore XMSは,構造が一定ではないXMLデータの格納に適したデータベース・エンジン。XMLデータを格納するだけで自動的にインデックスを生成するため,利用が手軽などの特徴がある。国内のユーザー企業はすでに50社を数えるが,今後の普及のためには開発者を増加させる必要があると判断し,無償版の提供に踏み切ることを決めた。

 無償版となるXprioriは,商品版のNeoCore XMSと比べて,機能上の制約が大きく2つある。第1に,データベース・サイズの上限が約1Gバイトに制限される。第2に,データベースをインストールしたコンピュータと同じIPアドレスからのアクセスしか許さない。正規のサポートや保守も受けられない。ただし三井物産はパートナ企業と共同で,近くXprioriのコミュニティWebサイトを開設する。「ユーザー同士の互助体制を整えるため」(ITソリューション事業部 ITプロデュース事業室 マネージャーの寺田 親弘氏)である。

 無償版と同じく5月13日に出荷を予定するNeoCore XMS 3.0では,主に運用機能を強化する。具体的な強化点は,大きく4点ある。(1)領域の自動拡張に対応,(2)自動デフラグ機能(データに高速アクセスできるようディスク上のデータを無停止で自動的に再配置する機能)を搭載,(3)無停止バックアップに対応,(4)Linuxでの動作をサポート――である。

 価格は従来版と同様で,32ビット版が250万円,64ビット版が400万円の予定。さらに,住友電気工業の文書検索ソフト「QuickSolution」や,アプレッソのデータ連携ソフト「DataSpider」などと連携するためのアダプタをオプション(価格は数十万円)で提供する予定である。

(実森 仁志=日経システム構築)