日本ヒューレット・パッカード(日本HP)とマイクロソフトは4月5日,64ビット環境を中心とする大規模データベース・システムの構築に関する協業プロジェクトを発表した。同プロジェクトでは,Itanium 2を搭載した「HP Integrity サーバ Superdome」と,データベース管理システムの次期版「Microsoft SQL Server 2005(開発コード名:Yukon)」の共同検証を行う。「Windowsでの64ビットのデータベース環境を推進する」(マイクロソフト サーバー プラットフォーム ビジネス本部 アプリケーションインフラストラクチャ製品グループ シニアプロダクトマネージャ 深瀬正人氏)ことが狙い。

 今回の共同検証は,すでに3月からスタートしており,2005年1月まで行う。検証環境として,データベース・サーバーに「HP Integrity サーバ Superdome」を2台,ディスク装置「Enterprise Virtual Array 5000」を2台,日本HPが提供する。また,OSにはWindows Server 2003 Datacenter Editionを,データベース管理システムに当初はSQL Server "Yukon" Beta1を利用する。

 検証は,両社の共通顧客である実際のユーザーのシステムを模した業務アプリケーションを構築して行う。検証項目は主に3つ。(1)SQL Server 2005に搭載される新機能の機能検証を行う「基本検証」,(2)フェールオーバー時間の短縮やクラスタリング環境の構築などを行う「ソリューション検証」,(3)業務アプリケーションとして性能が確保されているかどうかを検証する「性能検証」---である。実際に,ユーザーのシステムを基にしたアプリケーションで検証を行うのは,日本だけの試みだという。

 SQL Server 2005は,今夏にBeta 2が,2004年内にBeta 3が提供される予定。マイクロソフトは2005年第1四半期に製品版を発表する予定である。

(岡本 藍=日経システム構築)