ネットワークへの不正侵入検知・防止ツール・ベンダーのインターネットセキュリティシステムズ(ISS)は,同社の多機能ファイアウォール機器に下位モデル「Proventia M30」を追加,2004年4月に出荷する。価格は55万円から。スループットは200Mビット/秒であり,50ユーザーから250ユーザーの小規模オフィスを対象とする。

 Proventia M30の主な機能は以下の通り。(1)UDPであっても“戻りパケット”かどうかを判断して通すステートフル・インスペクションに対応したファイアウォール機能,(2)IPsec VPN機能,(3)不正侵入防止機能,(4)ウイルス対策機能,で構成する。2004年夏にはスパム対策機能も追加する。

 同社はまた,2004年4月の同時期に,SLA契約を含んだ不正侵入防止サービス「マネージドプロテクションサービス」(MPS)をパートナー会社を通じて提供開始する。MPSでは,同社の不正侵入検知・防止アプライアンス「Proventia Gシリーズ」を使い,ユーザーからの設定変更依頼への対応時間などをSLAで契約する。価格は管理対象サーバー1台当たり月額24万円程度から。

 MPSで用いるProventia Gシリーズは,ネットワークとネットワークの間にインラインで挟んで使うゲートウエイ・ブリッジ型のセキュリティ機器である。従来から提供中の不正侵入検知・防止サービス「マネージドセキュリティサービス」(MSS)では,パケットを外部でキャプチャして不正侵入を検知した上で,セッションの確立を防止するパケットを送出して不正侵入を防止する「Proventia Aシリーズ」を用いていた。

 MPSを提供する主なパートナー会社は以下の通り。NTTコミュニケーションズ,日本テレコム,伊藤忠テクノサイエンス,NECシステム建設,NECフィールディング。

(日川 佳三=日経システム構築)

【2004/06/03付記】
 「MPSを提供する主なパートナー会社」として記事初出時に記載した日立電子サービスは,MPSを取り扱っていないため社名を削除しました。