NECは3月17日,ミドルウエア製品群「VALUMOウエア」に自律コンピューティング機能を強化する新製品を追加すると発表した。VALUMOウエアとは,業務構築運用基盤「DiosaGlobe」,サービス構築基盤「ActiveGlobe」,統合システム運用管理「WebSAM」,システム構築基盤「SystemGlobe」の4つの製品群の総称。今回,WebSAMのラインナップで「WebSAM ProvisioningMaster」と「WebSAM ASManager」の2つの新製品を発売する。また「WebSAM MCOperations」の機能を強化する。

 ProvisioningMasterは,障害や負荷に応じてサーバーやネットワーク,アプリケーションのITリソースを自動的に割り当てるソフト。価格はOS,ミドルウエアのインストールや設定を自律的に行うProvisioningMaster PFが920万円から,業務アプリケーションのインストールを自律的に行うProvisioningMaster APが287万円から。

 ASManagerは,システムの状態を分析・診断し,性能低下を未然に検知したり障害原因の特定を行うソフト。価格は115万円から。

 MCOperationsは,過去の障害情報と復旧手順をナレッジデータベースに蓄積して,迅速な復旧処理をを支援するソフト。価格は172万円から。

 これらの製品を組み合わせることで,予備のサーバーに対して障害や負荷に応じてアプリケーションを自動的に割り当てたり,障害発生時にその個所を特定し自動的に復旧したりする運用が可能になる。ただし,対象となるハードウエアは,サーバーはExpress5800,ネットワークはCisco製品やIP8800など,ストレージはiStorage Sシリーズなど主にNECが取り扱う製品に限定される。

 また,これらの機能を使いこなすには「どういう条件の時にどういうITリソースを割り当てるか」といったを運用ポリシーを設定するノウハウを蓄積することが必要になる。

 出荷は4月21日(ProvisioningMaster APのみ6月末)。

(尾崎 憲和=日経システム構築)