写真1●開発中の日本語版の画面 (クリックして拡大表示)
開発中の日本語版の画面
 
  写真2●最新版になっているかのレポート画面 最新版が入っているパソコンは半分しかないことが分かる(クリックして拡大表示)
最新版になっているかのレポート画面
 
  写真3●ウイルス被害状況のレポート画面 多かったウイルスの種類などが分かる(クリックして拡大表示)
ウイルス被害状況のレポート画面

 スペインのPanda Softwareは,パソコンにアンチウイルス機能を提供する法人向けのASPサービス「Webadmin antivirus」の日本語版を3月にも開始する(写真1)。管理者がLAN内のパソコンに遠隔インストールする機能などをサポートしている点が特徴。ITXイー・グローバレッジが販売する。料金は検討中だが、1クライアントあたり年間で数千円と見られる。千葉市・幕張メッセで開催中の「NET&COM 2004」でデモを展示している(ブース番号5340)。

 Webadmin antivirusは,Panda社のサーバーからアンチウイルスのプログラムを各自のパソコンにダウンロードして使う。多数のパソコンがある場合のインストール作業を省力化するため,2つのインストール方式をサポートする。「プル型」と「プッシュ型」である。

 プル型は,期間限定で有効なシリアル・キー付きのURLをPanda社のサーバーのサーバーで発行してもらい,そのURLを社員に告知し,社員にインストールさせるというもの。

 これに対してプッシュ型は,管理者が強制的に社員のパソコンに遠隔インストールするものだ。管理者のパソコンにインストール・パッケージをダウンロードして,特定のWindowsワークグループなどを指定すると,その配下にあるパソコンにインストール・パッケージを強制的に送り込み,導入するという。

 Webadmin antivirusは起動時に,最新のアンチウイルス・プログラムやパターン・ファイルの有無をPanda社のサーバーに問い合わせ,自動的に取得する。このとき,同一のLAN内など,通信可能な近隣のネットワークのパソコンがすでに最新版を入手済みであれば,そちらから入手する。一般に,インターネットへのアクセス回線よりもLANの方が帯域が広く,遅延も少ないことから,より高速に最新版を入手できる仕組みだ。

 また入手済みパソコンの探索方法も,ブロードキャストで問い合わせる方式ではなく,Panda社のサーバーから近隣パソコンのリストを受信する方式であるため,「ブロードキャスト通信でLANが混雑するような事態を避けられる」(ITXイー・グローバレッジのプロダクトマネージャーの森 豊氏)としている。

(実森 仁志=日経システム構築)